経営者マインド 2008 8 23
「うちは、無借金経営だ」、あるいは、
「無借金経営に近い経営方針だ」という経営者は、意外に多いのです。
それは、経営者が、過去に、よっぽど、ひどい目に遭っているからです。
(下記の「傘 2008 7 19」を参照してください)。
そういうわけで、いくら金利を引き下げても、単純には、景気は、よくならないのです。
では、個人(個人消費)は、どうか。
これも同じで、いくら金利を引き下げても、個人消費は、よくならないのです。
日本には、アメリカのように「借金文化」は、ありません。
アメリカでは、「借金は美徳」という独特な文化(?)があります。
(下記の「THE OVERSPENT AMERICAN 2008 2 3」を参照)
アメリカ社会には「借金をしてでも消費をしたい」という雰囲気すら、あります。
そういう特殊な社会ならば、金利を引き下げれば、
景気(個人消費)は、向上となるでしょう。
直輸入した学問は、役に立たない。
日本人の国民性を考慮すべきです。
輸入した学問をそのまま使うならば、それは学者ではなく、翻訳家です。
日本人の国民性を考慮して、「輸入した学問」を改良するならば、学者と言えるでしょう。
傘 2008 7 19
晴れた日には、傘を貸し、雨の日には、傘を取り上げる。
一般的に、銀行経営とは、そういうものです。
この言葉は、一般の人には、わかりにくいと思いますので、解説します。
晴れた日には(景気がよい時)、傘(資金)を貸し、
雨の日には(景気が悪い時)、傘(資金)を取り上げる。
そういうわけで、経営者は、
銀行が「お金を貸す」と言ってきたら、注意をしなければならないのです。
「我が社の経営は、背伸びをしていないか」と。
THE OVERSPENT AMERICAN 2008 2 3
「浪費するアメリカ人 なぜ要らないものまで欲しがるか」
著者 ジュリエット B.ショア 岩波書店
THE OVERSPENT AMERICAN
Why We Want What We Don't Need
by Juliet B. Schor
どうしてアメリカ人は、そんなに消費(浪費)するのか。
しかも、借金をしてまで消費するのか、その理由がわからなかったのです。
確かに、買い物は、ストレス解消になります。
しかし、それが借金をしてまで買い物をする理由になるか、疑問を感じていたのです。
この本を読めば、そういう疑問が解決するでしょう。
たとえば、このようなことが書いてあります。
「中流階級のアメリカ人は、まるで明日はないかのように消費している。
にもかかわらず、消費が増えるほど、ますます満たされない思いが強まる。
現代社会では、商品は、ある種のコミュニケーションの手段であり、
人びとは何を持ち、何を身につけているかで、
自己のアイデンティティと社会的ステータスを表現しようとする」
ここ数年の世界同時好況は、借金漬けのアメリカ人による浪費の「お陰」です。
こうした消費活動(借金文化)が、持続可能なものではないし、
このような消費活動に依存する世界経済が、持続可能なものではありません。
どう見ても、不健全な「消費活動」と、不健全な「世界同時好況」でしょう。
この本は、同時に、日本の消費社会への警鐘です。
日本も、昔に比べれば、アメリカの消費活動に似てきていると思います。
文化の違い culture gap 2003 6 23
今日(2003年6月23日)の日本経済新聞には、このような記事があります。
「住宅担保に消費者ローン」
「家計、金利負担増の懸念」
「アメリカで、住宅を担保にした消費者ローンが急増している。」
「ただ、同ローンは大半が変動金利であるうえ、住宅バブル頼みの色彩も強い。」
「ホーム・エクイティ・ローンと呼ばれる同融資は、
住宅の評価額から住宅ローンを除いた部分を担保にするもので、使途の制限はない。」
これを読んで、さすがに日本人は違和感を感じるでしょう。
このような「アメリカの借金文化」には、ついていけないと感じるでしょう。